子宮外妊娠の症状や治療など
受精卵は通常、妊娠の際に子宮腔の子宮内膜に着床しますが、それ以外の場所に着床した場合を子宮外
妊娠といいます。子宮外妊娠のほとんどは卵管に起こり、まれに卵巣、腹膜、子宮頸菅に着床する事も
あります。
卵管妊娠の場合、卵管の先端に着床すると、受精卵はある程度発育したあと腹腔の中に落ちてしまいま
すが、着床していたところから少しずつ出血が続き、腹痛もおきてきます。これを卵管流産といいます。
出血の一部は卵管を通り子宮腔に入り、腔から不正出血の形で現れます。
卵管腔が狭いために、卵管の中央部分に着床した場合には、受精卵がある程度大きくなると、卵管は破
れてしまいます。このことを卵管破裂といいます。そうなると、多量の出血をして、腹腔の中に血液が
たまり、同時に激しいお腹の痛みを感じます。
したがって、月経が遅れて不正出血があるうちに突然はげしい腹痛が起こり、貧血状態になった場合な
どは、卵管破裂の可能性があります。
子宮外妊娠は、出血量が多いと命の危険があるので、すばやい診断と適切な治療が必要です。特に、
卵管破裂の場合は出血量が多いので、いち早く手術を受ける必要があります。
子宮外妊娠の可能性がある場合、腔の奥から腹腔に針を刺して、腹腔内に出血があるかを調べます。
尿の妊娠反応が陽性で、しかも腹腔内に出血がある場合は。子宮外妊娠の可能性が高いといえるで
しょう。
また、陽性の妊娠反応なのに、超音波検査で子宮の中に妊娠した所見が見当たらない時にも、子宮外
妊娠が強く疑われます。
子宮外妊娠の場合は手術によって、出血部分を取り除くのが原則で、出血量が多い場合輸血を行う必
要があります。
子宮外妊娠の治療法には、どんな方法があるでしょうか?
最も単純で確実な治療法としては、胎芽を手術によって摘出する事でしょう。
子宮外妊娠の場合、残念ながら赤ちゃんの命は助かりません。
非常に残念ですが。そして子宮外妊娠になる胎卵は、通常とは違う、染色体の異常などの難しい要因
があり、仮に妊卵を保護する事ができたとしても、分娩まで成長する事ができないようです。また、
子宮外妊娠の結果として、破裂を起こした場合、その痛みはとても苦痛をともないます。
子宮外妊娠が母体の生死に関わる事を考えると、母体の健康をまず優先で考えて処置せざるを得ない事
を理解しましょう。
次に『手術するかしないか』ということと『手術するにしても卵管を残すか残さないか』が問題になる
と思います。もしも全身状態が悪化しているという事であれば緊急事態です。手術をして、卵管を取り、
出血したお腹の中をきれいに処置するしかありません。
子宮外妊娠が検査等で早期発見されて、状態が良いようであれば”待機療法””薬物療法””手術”な
どの選択肢があります。専門の担当の医師とよく相談しましょう。